木炭・ガス・石油製品等 燃料の総合商社

東京燃料林産株式会社

木炭の種類

燃料としての木炭

 燃料として良質な木炭は、燃焼時に煙・炎・臭気を出さず、特に焼き物料理では赤外線・遠赤外線が多いので食材の中まで熱が通り、燃焼ガスに水分が少ないので外側はパリッと焼けて食材の旨味を逃しません。
 また、同じ炭を使えば温度や火の立ち上がりと沈み込みが一定なので、茶道・煮物・餡作りなどにも根強い人気があります。

木炭の種類について

 日本で石炭が使われ出した頃から、樹木で作られた昔ながらの炭は、木炭と呼ばれています。
 燃料用の木炭の種類は、
            @【炭の作り方(製炭方法)によるもの】
            A【炭の材料(炭材)によるもの】
                               によってそれぞれ分類することができます。
 @の分類では、【黒炭】と【白炭】の2種類に分類することができ、Aの分類では【天然炭】と【成型炭】の2種類に分けられます。
 黒炭の代表格は【岩手切炭(いわてきりずみ)】や【茶の湯炭(ちゃのゆずみ)】、白炭の代表格は【紀州備長炭(きしゅうびんちょうたん)】などが挙げられます。
 備長炭と言うのは商品名であり、種類の名前ではありません。
 まず、黒炭と白炭は何が違うのか、ということについて「製炭」あるいは「炭焼き」の工程から確認していきましょう。

基本的な製炭の工程 

     〜黒炭の製炭〜
 
 1. 製炭窯への炭材詰め
 2. 口火焚きによる炭材の乾燥
 3. 炭材への着火による炭化
 4. 精煉
 5. 消火
 6. 窯出し

黒炭(くろずみ)

 炭焼きは「木伐り3年、窯作り10年、炭焼き一生」という言葉があるくらい奥の深い仕事です。
 材料となる木は「原木」・「炭材」などと呼ばれ、広葉樹が好まれますが、炭の質を一定にするため出来る限り1種類の木を使って焼かれます。
 中でも楢(なら)・樫(かし)・椚(くぬぎ)など団栗(どんぐり)のできる硬い木が好まれます。
 「木伐り3年」と言われる通り、炭焼きの製炭士の方が自ら山に入って木を伐採し原木を集めてくるのが基本です。
 【1.炭材詰め】
  この工程では原木を窯の大きさに合わせ密集させて詰めこみます。
 【2.乾  燥】
  原木をギッシリ詰め込んだ窯の口から新聞紙・藁・雑木などで口火を焚いて炭材を一両日程度乾燥させます。
 【3.着  火】
  炭化させるために空気を絞りながら徐々に炭材に着火させます。
  通常の燃焼とは異なり、酸素の供給を最小限に抑え窯内を高温の状態にしていきます。
  窯の大きさにもよりますが、数トンの原木を入れて数日掛かります。
 【4.精  煉】
  着火が始まり、充分に火が回ったらここから少し空気の通る量を増やし、炭を硬く締めてゆく工程に移ります。
  3〜4の工程は目に見えない炭窯の中で何が起きているのか、製炭士の経験と勘による技術が特にものを言う作業です。
  着火が失敗すれば赤茶けた消し炭のようなものが出来てしまいますし、精煉が進み過ぎると炭が焼失してしまいます。
 【5.消  火】
  納得の行く精煉度を見極めたら窯口などを塞ぎ密閉して消火します。
 【6.窯 出 し】
  数日置いて完全に消火したら窯口を開け出荷することになります。
  こうして時間を費やして作られた木炭が、樹皮がついたままで年輪が見えるような真っ黒な炭です。
  次にご説明する白炭との比較で黒炭と呼ばれます。

白炭(しろずみ・はくたん)

 「白炭」は黒炭製造工程の【4.精  錬】の次に、消火に移らず更に窯口を広げ、一気に新鮮な空気を入れることにより「ねらし」「あらし」などと呼ばれる精錬強化の作業をします。
 このときの窯の温度は1,000℃を超えることもあります。
 この「ねらし」の作業により樹皮は燃え尽き、同じ木で作られた黒炭と比べると極めて硬く締まります。
 「ねらし」が過ぎると炭材が消失してしまいますので、頃合をみて外に掻き出し、灰・砂などに水を混ぜた「消し粉」を満遍なくかけて強制的に消火します。
 このとき、灰や砂で表面が白くなるので「白炭」と呼ばれます。
 有名な備長炭は白炭の一種で、見た目も触れ合う音も金属のようになります。

天然炭と成型炭

 【紀州備長炭】・【岩手切炭】・【茶の湯炭】などは全て天然の樹木を伐採して作られた天然炭ですが、これらに対して、製材所や組立家具工場などで発生する「おがくず(オガ粉)」を熱を加え圧縮成型された薪の代用品「オガライト」を炭化させて作る「オガ炭(おがたん)」や、炭の粉を「ふのり(海草)」などで固めた「炭団(たどん)」や圧縮成型した「ブリケット」などを成型炭と呼びます。
 成型炭の代表格は「オガ炭」ですが、各販売業者で様々な商品名がつけられ、オガ炭の白炭も「備長炭」として販売されていますので、一体備長炭とは何を指しているものなのか、少し判断が難しいところです。
 これは備長炭のところでご説明します。

茶の湯炭について

 茶道で炉や火入・香などに使われる炭は「茶の湯炭」「お茶炭」と呼ばれ、黒炭の一種です。
 大きく分けて夏の風炉用、冬の炉用がありますが、流儀によって細かく規格が定められています。
 茶の湯炭を作る炭材には「椚(くぬぎ)」「楢(なら)」「樫(かし)」「躑躅(つつじ・枝炭)」などが使われますが、茶の湯ではその中で最も火力があって美しい「椚」が好まれ、この断面の美しさから、茶の湯炭は「菊炭」と呼ばれることもあります。
 茶の湯炭で有名なものに関西では池田炭、関東では佐倉炭があります。
 池田は大阪の地名で、佐倉というのは現在の千葉県佐倉市辺りにあった、江戸時代の佐倉藩が集荷を行っていたところからきています。
 どちらも集荷地・生産地としては廃れ、現在では関東以北の主な産地として、栃木・福島周辺などがあげられます。
 茶の湯炭は、茶事の進行に合わせて湯が沸くように、名残を残すように作られています。
 また、茶道具としても観賞に耐えられるものでなくてはなりません。
 ほんの少し皮が剥げたり、色や形がまばらになっただけで、もう商品にはなりません。
 他の炭との一番の違いは美しい炭材を択びとる目利きと、茶の湯で使えるように炭を切る加工技術にあります。
 美しい炭材とは、炭にしたときに断面が真円に近く、樹皮が密着し、皮が薄からず厚からず、炭を焼いたときに出来る放射状のヒビと年輪が菊の花のように均等に円の中心から広がっているのが良いといわれます。
 成長が早い木は、年輪が太くなり良くないといわれますので、土壌や日当りが良好な場所で育つ木は適さないと言えます。
 ところが、日当りが悪すぎると皮が薄くなりすぎ、年輪も細かくなりすぎてしまうので、日陰なら良いという訳でもありません。
 一方で、日当りが均等でない山の木は、幹の断面が楕円形に育ったり、年輪が偏ってしまいますので、炭に焼いても切り口が菊の花のようになりません。
 一般の黒炭と異なり、炭材に適した、程好い木を択ぶところから製炭者の苦心が始まります。
 細い炭では誤魔化せても、胴炭など太めの炭は違いが目立つので特に気をつけないといけません。
 また春に木を切るのはタブーとされます。
 これは、春の樹木が表皮と真皮の間に冬の間我慢していた水分や養分を一気に吸い上げるので、炭にしたときに表皮が剥がれ易くなってしまうからです。
 仕上げとして、このように細心の注意を払って択ばれ、焼かれた炭に、茶の湯で使う大きさに合わせて切断する作業を行います。
 ここで切り方が甘いと断面が斜めになったり、粉々に砕けたり折角焼いた炭を台無しにしてしまう恐れがあります。
 また梱包の仕方や運搬が乱暴だと、やはり皮が剥がれたり割れたりしてしまいます。
 こうして慎重にも慎重な作業を経て、実際に使われる茶人の方々の手許へと渡りますが、ここでも粉が出たり跳ねがあがらないように水で丁寧に洗い、天日で充分に乾かすという作業が待っています。
 茶の湯に携わる方々の炭に対する悩みの一つは、洗ったときに割れたり皮が取れたりしてしまうことのようです。
 ですから、木を伐り、炭を焼き、取扱い、熾す、という全ての工程において、茶の湯の心得と同様、目利きが大事で、道具を大切に扱うという日本の伝統文化を守らないと務まらない面があります。

備長炭について

 最も有名な炭に備長炭があります。
 備長炭はマスコミなどで最高級の炭と絶賛されることが多いですので、炭の代名詞のような印象があるかも知れません。
 「備長炭」の名は、通説では元禄年間(1688〜1704年)備中屋長左衛門が発明したのが始まりと言われておりますが、万治年間(1658〜60年)紀州北牟婁郡の炭焼きであった大津市右衛門が改良したという説もあり、定かではありません。
 備中屋長左衛門は紀州田辺藩城下町の炭問屋で、享保15年(1730年)から嘉永7年(安政元年にもあたる1854年)までの124年間に4人存在し、この炭問屋の取扱商品を備長炭と名付けたと言われ、現在の和歌山県田辺市の東、旧秋津川村付近の炭焼きさん達により改良されたものであると思われます。
 紀州藩は紀州徳川家のほか新宮・田辺にも支藩がありましたが、高野山を除く紀伊国全域及び伊勢国南部が藩領でしたので、伊勢国松阪・田丸にも城が置かれておりました。
 ですから「紀州備長炭」というのは和歌山県だけでなく現在の和歌山県全域と三重県南部が産地の「ウバメガシ」・「樫」による白炭のことを指します。
 現在に至って備長炭は、紀州だけで作られているのではなく、技術移転により主な産地だけでも土佐(高知県)・豊後(大分県)・日向(宮崎県)などがあり、海外でも似た原木を使って作られていて、それぞれ「備長炭」として世に出されています。
 知名度も上がり高級感があるので現在ではオガ炭の白炭にまで備長炭と名付けられたものが多く出回っています。
 いわば「高級白炭」の名称として一般に使われているようです。
 「紀州備長炭」や「上土佐備長炭」に用いられる原木ウバメガシ(馬目樫・姥目樫)は、通常の樫とは見た目も硬さも大きく異なり、厳しい土壌を好み、屈折しながらゆっくりとした成長をしますので非常に硬く、水にも沈むほど重い木です。
 白炭にした場合、肌が金属的で滑らかになりますので、火がつき難く、素人ではなかなか熾こせませんが、一旦熾きれば火が長持ちします。
 岩手木炭など良質の黒炭に比べて平時の火力は低いのですが、風を送り込むと火力を自在に上げることも出来るという高性能の炭です。
 蒸しが入るため軟らかく非常にデリケートな江戸前の鰻でも、備長炭なら外はコンガリ、中はシットリしていながらしっかりと火を通し、お客が増えても炭の継ぎ足しが必要なく、欲しいときに団扇一つで火力も上げられるということで大変重宝されてきました。
 このように備長炭は普段使いの手軽な家庭用炭としては不向きで、火熾こしの難しさや爆跳といった危険性もありますので、選び方や使い方をよく確認して使用する必要があります。
 また、「備長炭だからなんでも良い物」というのは誤った解釈で、それぞれのニーズあった炭を選ぶと良いでしょう。
 良い炭の選び方については次に説明します。

炭の選び方

 製炭工程の中で、着火工程が良ければ、赤茶けず、炎や煙がほとんど出ない炭ができます。
 精錬工程が良いと、炭が硬く締まり、火が長持ちする炭ができます。
 市販されている極端に安い炭は、こうした製炭工程か原木のいずれかに問題がある炭で、炎が上って食材が焦げたり、煙がもうもうと上がって目が痛くなったり、燻って立ち消えしたり、火が30分位しか持たなかったり、火力が無いので量がたくさん必要になったりします。
 備長炭の場合、技術的な製炭工程だけではなく、原木の種類や炭の保存状態なども炭の良し悪しに大きく影響しますが、爆跳する、火が熾きない、立ち消えする、といったトラブルがあります。
 「炭は燻るもの爆ぜるもの」と昔から言いますので、立ち消えや爆跳はどの炭にもありますが、著しい場合は品質が悪いと言わざるを得ません。
 ただ、安いから、備長炭だからということではなく、専門店で意見を聞き、ご自分の使い方に一番合った炭をお求め頂きたいものです。

お勧めの岩手切炭

 「岩手切炭」は、よく量販店などで目にすることが多いマングローブ炭と比べて少し高価ですが、火がつきやすく、煙や炎も上がらず、少量で高い火力が得られ、火も長持ちするので、快適で経済的です。
 小さいコンロや火鉢でも使い易いよう約6.5pに切ってありますので「切炭」の名がつけられています。
 日本一の生産量を誇る岩手県で純国産のコナラ・ミズナラを炭材として作られており、品質・量ともに安定して入手することが出来る上、国産木炭ではお手頃な価格で販売されています。
 肉は勿論、魚・野菜など食材を選ばないオールマイティーの炭で、レジャーから業務用まで、どなたでも安くて美味しい御料理を楽しく頂くことができるのでお薦めです。

オガ炭(成型炭の白炭)の特徴

 「オガ炭」は、火つきが悪く火力が比較的低い一方で、値段が安く、火力が安定して火持ちが良い炭ですので、これも素人向きです。
 焼肉店などで良く使われていますので目にする機会も多いと思いますが、チクワのような穴の開いた炭です。
 「備長炭」として売られているものも多い炭です。
 穴から炎が上がることがあるのが難点ですが、焼肉には適しています。輸入物は臭いの出るもの・立ち消えするものも見られ、品質にバラつきが見られます。

備長炭(天然木白炭)の特徴

 天然木で作られた備長炭のなかで、一般に「国産備長炭」は高価ですが品質が安定し、「輸入備長炭」は比較的廉価ですが粗悪品も多い傾向にあります。
 天然の備長炭は、黒炭に比べ火力は低めながら極めて安定し少量で長時間火が持ちます。
 原木の種類により火力・火持ちが大きく異なり、ウバメガシを使った紀州備長炭・上土佐備長炭などは極めて高い性能を持っています。
 ご家庭で使うには火が保ち過ぎる(最大6時間程度)ので、長時間のバーベキューなどに向いています。
 節や芯のある部分を取り除き、大きさを一定の規格に従って分類する作業を「選別」と言いますが、選別は快適な炭火料理のために非常に大切な工程です。
 備長炭は、主に「産地(気候・樹種・製炭技術)」と「選別の良し悪し」の2点で値段が決まります。
 安い備長炭は、そのいずれかに問題があることが多いようですが、素晴らしい品質なのに産地にブランド力が無く安めのお値段ということもありますので、色々試してみると面白いものです。

備長炭の使用上の注意

 どの木炭にも見られることですが、「爆跳」といって炭が激しく弾けることがあります。
 何らかの理由で木炭の組織内に閉じ込められた空気が、急に暖められたことで膨張し爆発するのだと思われます。
 特に備長炭は硬いので、爆跳も一層激しいものとなり、かなりのスピードで高温の尖った炭の破片が飛び散り危険です。
 爆跳を予防するには、火を熾す時は出来る限りゆっくりと熾し、炭を継ぎ足しするときもいきなり火に入れず、焼き台の周囲に暫く置くなどして、充分暖めてから使うようにしますが、湿気を含んだものや、芯や節のあるものは慎重に使っても爆跳することがあります。
 爆跳の可能性がある周囲に可燃物を置かない、特に小さなお子様など、火を扱う人以外は近付かない注意が必要です。

炭火の熾し方

 【火種から熾す・・・<基本>】
 炭を燃料として使う為に火をつけることを「熾す」と言います。
 古来火を熾すには色々な方法が用いられていますのが、
     @小さいものから順に火をつける
     A夏下冬上(かか・とうじょう)
     B風(通気と上昇気流)を上手く使う
                      という3点が基本です。
 まず、@について具体的に例示しますと、新聞紙⇒割り箸⇒黒炭⇒白炭、などといった具合に火のつきやすいものから順に種火を移してゆくことを表しています。
 Aは「夏の炭は暑がり冬の炭は寒がり」とも言われ、夏の暑い日は種火を下に置き上に向かって火が移るようにし冬の寒い日は種火を上に置いて下の炭に火が移るようにするというもので、先達の知恵です。
 Bについては、コンロ下の通気口を開き、筒形のもの(底を取った空き缶など)を炭の上に立てて置いたり、切炭を筒形に組んで火種を円筒の中側に入れることで上昇気流による風が発生しますので、団扇やフイゴを使わなくても火が着き易くなる、ということです。
 要するに、「温められた空気は上昇する」ということを利用して、通気口からの吸気と上昇気流による排気で「風の通り道」を作り、木炭に酸素を供給する訳です。
 
 【火熾し器や着火剤を使って熾す・・・<応用>】
 基本を理解したうえで、火熾し(火起こし)器や着火剤を使えば簡単に種火が作れます。ちなみに火熾し器の使い方は、直火に炭を入れた火熾し器を掛け数分から十分程度置けば炭を着火させられますし、着火剤は種火を作る火種として使用すると良いでしょう。
 蓋つきの火熾し器を使うなど気をつければ、備長炭でも簡単に火が熾せます。
 ただし、ゼリー状着火剤を炭の上に垂らすのは火もつかず危険でもありますので避けてください。
 
 【一酸化炭素中毒の防止・・・<注意点>】
 良い炭は着火しても赤く輝くだけで炎や煙は上がりません。木炭は炭素が主成分ですので、酸素と結びついて二酸化炭素を発生させて光と熱を出します。
 ですから、着火する過程では不完全燃焼によって猛毒の一酸化炭素が多く発生しますので換気しないと危険です。
 炭火を使うときはガスや電気以上に常に換気することをお薦めします。
 品質の劣る炭ほど不完全燃焼が多いので一酸化炭素の発生も多く、煙も出易くなります。

炭火の消し方と再利用

 木炭は水を掛けて火を消すのではなく、「火消壺(ひけし・つぼ)」で消します。
 火消壺は珪藻土・鋳物・陶器などの材質がありますが、炭を消してから暫くは、火消壺が熱くなりますので、素手で触れないようにし、フローリングや樹脂系の床・机には置かないで下さい。
 火消壺で消した炭は次回の「種火」としてご使用になれますし、「灰」は食材のあく抜き・洗剤・園芸用として利用できます。これも先達の知恵です。
 火消壺が無い場合は、細かく砕いて砂を掛けるか、コンロの通気口を閉じ上部を鍋蓋などで密閉して炭を窒息させて消火します。
 炭に水を掛けて消火すると水蒸気が高く上がり、爆跳の恐れもあり危険です。
 また、種火や灰の再利用も出来なくなりますので避けてください。

環境のために国産木炭を使いましょう

 温室効果ガス抑制というのが国際的・社会的な課題になっておりますが、「木炭を使うのは森林伐採し二酸化炭素を出して環境に悪いのではないか」という話を良く聞きます。
 木炭を作るには木を伐らなければなりませんし、木炭は8割方炭素で出来ていますので燃やせば確かに一酸化炭素や二酸化炭素が出ます。
 ところで、人間の成長期と高齢者では、食べる量が変わりますが、樹木も同じで、若い木は成長に必要なでんぷんを溜め込む為にどんどん光合成を行います。
 一方で高齢の樹は成長が抑えられ若木に比べ、二酸化炭素の吸収量は半分以下になります。
 こうした意味で温室効果ガス削減に、高齢樹の伐採と植林が有効であるのは紛れも無い事実です。
 木炭を作る場合、炭材に「針葉樹」を用いることはまれで、主に「広葉樹」を使います。
 林業用語では玉伐りと言いますが、木を根もとから伐ると「針葉樹」はそのまま枯れてしまいます。
 一方で木炭の材料にもなる「楢(なら)」・「樫(かし)」・「椚(くぬぎ)」などの広葉樹は、まだ残っている根の養分を元に、切り株からおびただしい量の芽を出します。
 これらのことから、一般的に「広葉樹は伐るだけで植林するのと同様の効果」があり、炭材の採取は温暖化抑制に働きますので、木炭を燃料として燃やしてしまっても再生可能なエネルギー、カーボンニュートラルであると言われています。
 これは、少なくとも生活エネルギーのほぼ全般を木炭に依存していた江戸時代までは温暖化問題なるものは存在しなかったことで実証済みだと考えられます。
 また、広葉樹は針葉樹のように葉が密集しないので森を明るくして下草を育て、尚且つ落ち葉による腐葉土で水を浄化し蓄えます。
 更に木を伐るにも手間は掛かりますが「択伐(たくばつ)」という適度な木を選んで間伐する作業をすることで、下草も育ち、病気への抵抗力が低い高齢樹が減り、立ち枯れなどを防止して、高齢樹から若い樹までバランス良く存在する緑の森を存続させます。
 炭材を得る山には炭に適した木が多く、これは偶然ではなく昔から多くの人々が建築材・椎茸のホダ木伐りや炭焼きを通じ、択伐によって数百年掛けて里山を守り育てて来たことにあります。
 そのことが川から田畑、最後には海まで栄養豊富できれいな水をもたらし、山を豊かにして生物の多様性をもたらしてくれます。
 このように昔ながらの炭焼きは生活物資を作り出すという本来の役割の他に、樹病を防ぎ山の木々に生気をみなぎらせる役目も担っていたのです。
 大企業の名刺や封筒など印刷物にはリサイクルや、さとうきび由来の紙の使用などが良くアピールされている印象を受けます。
 勿論それ自体は良いことですが、水と土に恵まれる我が国における森林保護とは、木を使用せず人が山に入るのを規制して自然林を増やして年老いた放置林を残すことではなく、適度に間伐・択伐をして里山を守ることではないでしょうか。
 例えば森林伐採が原因で大鷲が絶滅しそうだなどと言う報道がみられますが、街の拡大・道路工事などにとらわれ、林内を急降下して獲物を捕らえる猛禽類は葉が密集した高齢樹林ではなく、どんぐりが多い比較的若い森林を生息地としておりますので、実際には森林を放置した結果、居場所が無くなってきているという事実を見逃しております。
 他にも、よく割り箸が環境に悪いといわれますが、間伐材で作られる国産のものであれば、木材としての遣い道も限られますので、むしろ環境に良いものです。
 やや偏った報道や知識が氾濫し、国外の森林伐採や地球温暖化のことは気に掛かるが、日本経済は規模が大きく輸入木材を使うのはやむを得ないということで、使う木や紙の量を削減すれば良い、といった風潮があるような印象を受けます。
 現在我が国では、輸入製品が安い為に紙パルプや家具・フローリングなどの建材に至るまで様々な木製品を国外に頼っています。
 日本の木工細工や塗り物を大事にし、国産木炭を使うような行動を、普段の生活にほんの少しでも取り入れることが重要であり、多少高くても極力国産の木製のものを選んで購入するというのが本当の環境への配慮だと思います。
 このように、炭を焼くという行為自体が自然のサイクルに適い、単なる燃料の製造ということに留まらない日本人特有の技術へのこだわりと、物を大切に扱うという美徳の文化があります。
 世界中で木炭は作られていますが、ここまで技にこだわり、品質にこだわっているのは日本だけで、製炭技術は日本が、二位以下を大きく引き離して世界一と言われています。
 炭焼きの技術は中国から伝わったとも言われますが、考古学では新石器時代から木炭が使われるようになり、弥生時代には鉄器作りのために木炭が盛んに使われるようになったと推定されています。
 古くは古事記・枕草子といった書物にも現れ、大仏建立のときにも大量の木炭を使用したとの記録があります。
 その後、世界に類を見ない切れ味の日本刀や国焼き陶器の製造で飛躍的に製炭技術が向上し、茶の湯によって「用の美」が完成され、江戸時代の備長炭の誕生により性能が極まったものであると考えられます。
 このように炭は日本の伝統文化の象徴であり、礎でもありますが、その炭焼きが今、危機に瀕しており、伝統文化の維持と里山復活による環境保全の為にも、より多くの皆様に国産の木炭を使って頂けることが、木炭に携わる業者としての切なる願いです。

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